新規は来るのに、次が来ない

ホットペッパーの新規枠は埋まる。3か月後の予約表に、その人たちの名前はない。新規は来ているのに、店は大きくならない。多くのサロンが、この同じ場所で止まっています。

原因は腕ではありません。施術の満足度が高くても、次に来る理由と、次に来るきっかけが用意できていないと、お客さまは店のことを忘れます。新規を入れる労力の一部を、最初の再来店を作るほうに回すと、同じ集客で売上が変わります。

リピートは、記録から始まる

次の来店を作る材料は、初回の記録の中にあります。施術して終わりにせず、次につながる項目を残します。記録すべきは、難しいことではありません。

記録すること次にどう効くか
来店日・メニュー・担当次に来たとき、続きから話せる。担当が変わっても引き継げる
会話の要点前回の話を覚えていると伝わる。それだけで来た甲斐になる
次回の提案「次は○週間後にこれを」と、帰る前に次の理由を渡せる
次の来店の目安間隔が空いた人を、台帳から見つけて声をかけられる

記録は、思い出のためではありません。次の来店を作るための材料です。

最初の再来店が、分かれ目

新規が定着するかどうかは、最初の数か月で分かれます。2回目、3回目と続くうちに、お客さまの中で「ここが自分の店」になります。逆に、最初の再来店を逃すと、記憶は薄れ、次のクーポンが目に入った別の店へ移ります。

だから、力を入れるのは初回の最後です。施術が終わって満足度が高いその場で、次回の提案をして、できればその場で次の予約を取る。間隔が空きそうな人には、目安の時期に合わせてこちらから声をかける。最初の1回を続きにできるかが、その後を左右します。

「また来てくださいね」では、来ない

あいさつとしての「またお待ちしています」は、次の来店の理由になりません。次はいつ、何のために来るか。具体的な提案と目安を、記録とセットで渡すと、再来店の確率が変わります。

台帳から「誰に・いつ・何を」声をかける

記録がたまると、台帳は「声をかける相手のリスト」になります。やみくもにDMを送るのではなく、台帳を見て、今いちばん効く相手に、今いちばん効く理由で声をかけます。

最後の「回数券・コースの残りがある人」は、消化の記録とつながります。未消化の管理は「回数券・コースの消化を仕組みで管理する」で扱っています。台帳と消化が同じところにあると、声かけの理由が自然に見つかります。

クーポン依存から、自店のリピートへ

クーポンサイト経由の新規は、定着しにくいと言われます。割引で来た人は、次も割引のある店を探すからです。ここを変えるには、2回目を自店の接点に乗せ替えます。

初回の最後に、次回の提案とその場での予約をして、公式LINEや会員への登録をうながす。台帳に次の目安を残し、間隔が空く前に声をかける。こうして2回目を自店の接点で迎えると、3回目からはクーポンに頼らない来店になります。新規を入れ続ける集客から、貯めた台帳で回す経営へ、少しずつ移していけます。

自店の段取り ― 2回目が来ていない人から

仕組みを大きく変える前に、先月の新規を1度だけ見ます。最初の一歩は、まだ2回目が来ていない人を、台帳から書き出すことです。

  1. 2回目待ちを出す:先月の新規のうち、まだ2回目が来ていない人を全部書き出す。これが今すぐ声をかける相手。
  2. 記録の項目を決める:来店日・メニュー・担当・会話の要点・次回の提案・次の目安を、全員が同じように記録する。
  3. 初回の締めを変える:施術の最後に、次回の提案と予約、公式LINE登録を、決まった流れにする。
  4. 声かけを定期にする:来店の目安を過ぎた人を、週に1度、台帳から出して声をかける。

これを記録ノートや表計算だけで毎回回すと、声かけの相手を探す作業が重くなります。サロン向けの顧客管理システムには、来店履歴やカルテ、次回の提案を記録し、来店間隔が空いた人や回数券の残りがある人を自動で一覧にして、再来店の声かけにつなげられるものがあります。予約・顧客管理・役務消化・物販をひとつで扱える製品もあり、台帳を声かけまでつなげたいときの選択肢になります。

今週の確認
  • 先月の新規で、まだ2回目が来ていない人を書き出したか
  • 初回の最後に、次回の提案と予約をする流れになっているか
  • 来店の目安を、台帳に残しているか
  • 間隔が空いた人へ、定期的に声をかけられているか

リピートは、特別な技ではありません。次に来る理由を記録に残し、間隔が空く前に声をかける。この2つを続けるだけで、毎月入れた新規が、店に積み上がっていきます。